おねえちゃんのブログ

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裁判体験記その6

 さて、一方が現れなかったために無罪放免となった人たち、早々に白旗を挙げてトラフィックスクールを選んだ被告人とそのケースの担当警官が法廷を去ると、法廷内に残っている人数はぐっと減る。いよいよ裁判の開始だ。ざっと見回したところ、実際に裁判を行うのは10組程度か。
 改めて全員起立し、右腕を頭の横に挙げて真実のみを述べることを誓い、着席。ここから被告人の名字のアルファベット順に、1件ずつ裁判が進んでいく。この時ばかりは自分がYから始まる名字であることに心から感謝してしまった。もし一番に呼ばれていたら、どうしていいか全く分からなかった。他の裁判を繰り返し眺められたお陰で流れが分かったし、徐々に緊張がほぐれて心に余裕も生まれてきた。
 裁判の流れは大体こんな感じだ。まず裁判官に呼ばれて被告人と警官が柵の中に入り、それぞれ所定の位置に立つ。裁判官が、被告人の裁判を続ける意思を確認した後、裁判官に促された警官が自分の名前や所属を述べ、違反切符を切った経緯を説明する。ここで被告人は、警官に対して質問があれば質問する。続いて被告人による弁明が始まる。それから裁判官は、双方に相手方に対する質問はあるか、さらなる弁明や説明があるかなどを聞き、最終的な判決をくだす。
 大抵の被告人は緊張した様子だが、中にはすらすらと流ちょうに口上を述べる者もいる。逆に警官の方が見るからに緊張していることもある。また、わずか10件程度の裁判の間に2回登場した警官が2人もいた。お前ら、そんなに切符切りまくってるのかよ? それも裁判に持ち込まれるぐらいだから理不尽な理由でだろう。イヤな野郎どもだなぁ。この裁判にだって結構な税金が使われているのだし、お前らがここに来るための有給だって税金の無駄遣いだ! もっと市民のためになる仕事をしろよ・・・
 被告人や警官が話している間、裁判官はものすごい勢いで内容を記録(速記?)していく。司会進行(?)も裁判官の役目だし、もちろんその場で内容を検討し、最終的な判決も素早く出していく。大したものである。
 証拠になりそうな現場の写真を持ってきている被告人も何人かいたし、黒板を使って当時の状況を説明した被告人もいた。よほど腹が立っているのだろう、中には警官への質問の際にけんか腰に問い詰めている被告人もいる。警官への質問と裁判官に対する説明は分けなければならないようだが、そこは素人。警官に問いかけながら裁判官に向かって説明もしたりして、裁判官から「どっちかにしろ」と注意されている人も結構いた。
 しかしやはり、被告人が完全に無罪になる確率はかなり低そうだ。罪状が2つあり、一方だけ無罪になった人は何人かいたが、完全に「Not Guilty」と言われた人は1人だけだ。1件、警察官が「その違反はもう1年半も前のことで、記憶にないので放棄する」というようなことを述べ、無罪放免になった人はいたが。
 ただ、最終的に「Gulty」と言われた人たちも罰金はかなり安くなっているようだ。皆、「・・・よって有罪、罰金35ドル」とか「45ドル」とか、最初からそんなに安かったわけないだろうという額を告げられている。

 皆さんの裁判をじっくり見学させて頂いたお陰で、かなり余裕が出てきた私。自分の裁判で言うべきこともまとまってきた。しっかし、やはり心の片隅では自分の担当警官がなにかの間違えて帰ってしまわないかな、とか、急な事件で呼び出されたりしないかな、とか、しょうもないことを思っている。
 裁判は着々と進み、あと2件。法廷に残っている被告人、警官、それぞれ2人ずつになった時、ついに私の名前が呼ばれた。運命の時だ・・・
(続く)