おねえちゃんのブログ

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裁判体験記その7(完結)

 法廷内に残っている人数がぐっと減り、被告人、警官それぞれ2人になったところでついに私の名前(と担当警官)の名前が呼ばれた。
 さんざん待たされたお陰ですっかり余裕ができた私は落ち着いて柵の中に入り、所定の位置に立つ。左側に立つ警官のほうは一切見ず、正面の裁判官を見つめる。裁判官の、裁判を進めて良いかという問いに「Yes」と答え、さあ、これから勝負だ!
 続いて裁判官が警官に名前や所属などを尋ねる。これまでの裁判では、警官はどこどこ所属のどこどこ部署のなになにで、などと、結構長い自己紹介をしていたのだが、私に切符を切った警官は自分の名前だけを名乗り、しばし絶句してしまった。ここで初めて、横目でちらりと警官のほうを見た。記憶にあるよりずっと小柄で、しかもかなり緊張している様子だ。威圧感のかけらもない警官の姿を見て、さらに心に余裕が生まれる。
 裁判官の視線に促され、警官は自分の身分や所属などを述べ始めた。どうやら私に切符を切った7月1日から、今の部署に変わったらしい。私を捕まえたのは、勤務初日にはりきり過ぎて勇み足って感じか?
 続いて状況説明だ。警官曰く、○×通りを走っていた時、前方にウインカーを出さずに「Unsafe Lane Change」をしている車がいたので捕まえた。実にシンプルで短い説明である。
 今度は裁判官が私に弁明を求める。一語一語はっきりと区切り、発音なんかどうでもいいので、とにかく分かりやすいように話す私。「当時、道路はすいていて交通量は少なかった。私の前を走っていた車が急に減速したので車線変更をしたが、移動する先の車線に他の車がいないことはちゃんと確認した。『Unsafe Lane Change』ではない」。警官に負けず劣らずシンプルで短い弁明である。ウインカーを出したとか出さないとかは、あえて一切言わない。だってそんなこと、違反切符に書いていない。この裁判で問われているのは、私の車線変更が「Unsafe」だったかどうかだけである。
 裁判官が双方に質問があるか尋ねるが、私も警官も質問はなにもなし。最後に裁判官が私に「さらに言うことはあるか?」と聞いた後、「同じことは繰り返さなくていいから」と付け加えた。同じ内容を言い方を変えて言うぐらいしか思いつかなかったので、「なにもない」と私。なんともまぁ、実にシンプルで短い裁判である。それまで見てきた他の人のどの裁判より短かったかも。
 そしていよいよ、緊張の判決である。裁判官はあらゆる交通法規が書かれていると思われる電話帳のような本のページをめくり、車線変更の際の規則のようなものを読み上げた。完全には覚えていないが、「安全確認をしてから車線変更をしなければならない」といった内容だったと思う。そして顔を上げた裁判官、「・・・このケースの車線変更は『Unsafe』であったとは言えない。よって、『NOT GUILTY』」
#・・・・・やった!!! やった!!! やったぞ~~~!!!
###「NOT GUILTY」だ~~~!!!!!
 思わず顔がほころび、小さく「Thank you」とつぶやく私。警官はと見れば、判決内容なんかどうでも良くて、とにかくこの場から解放されることが嬉しいといった安堵の様子。柵から出る際、裁判所の職員が寄ってきて私の住所を確認し、すでに払った罰金は6~8週間で(小切手で)返送されるからと告げた。はいはい、ちゃんと返してね~
 足取りも軽く法廷の扉を出ると、罰金支払い窓口の長い列が扉の辺りまで続いていた。見ればとっくに法廷を後にした人たちも、(安くなった)罰金を払うためにまだ列に並んでいる。へっへっ、結局私のほうが先に帰れちゃったね~~~♪
 それにしても、ここ最近でこれほどスカッとしたことはない。はっはっは! ざまーみろ! 正義は最後にはちゃんと勝つのだ(たまには)。本当に心の底から「やった!!!」と叫びたい気分だ。新入り警官もこれに懲りて、もうくだらね~ことで市民を捕まえて時間と税金を無駄にするんじゃね~ぞ!
 いや~、本当にすっきりした! 理不尽がはびこる世の中だけど、たまにはこういうこともあるもんなんだね~♪